■ 抄録・要旨
| 地球温暖化の進行等による気温上昇に対する適応策の検討は急務となっているが、地域性の高い多様な農作物に対する昇温の影響は十分に把握されていないため、地域の様々な農作物に対する昇温影響を出来るだけ簡便に把握するための手法として、農業用資材等を利用した簡易加温チャンバーの開発に取り組んだ。
農業用ビニールハウス資材である直管パイプ、ビニール止め材、農業用ポリ塩化ビニールなどを用い、一辺160cm、高さ50cmまたは100cmの正方形のOTC型のチャンバーを作製し、性能試験を行った結果、チャンバー内の温度は低温期・高温期ともに日の出とともに上昇し、低温期で最大1.6℃、高温期では最大2.5℃高くなった。しかしながら、日没後は急速に外気温との差が減少した。この結果より、チャンバー内の夜温を上昇させるためには農電ヒーターなどを要するが、昼間の昇温は可能であり、簡易加温チャンバーとして利用が可能であると考えられた。
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